クレアパッソの「総合解説」のビジュアルガイドと、イタリアの料理雑誌やwebから、イタリア料理、イタリアワイン、イタリア旅行の面白い記事を紹介するブログ
2021年12月1日水曜日
パスタ入門編、その5、オレッキエッテは親指で押して裏返し、カヴァテッリは人差し指と中指でひっかく。
今日のパスタは、南イタリアのパスタ・フレスカでは一番人気の、プーリアを象徴するパスタ、オレッキエッテ Orecchietteです(リチェッタは今月のCIRP.22)。
硬質小麦粉の指先とナイフでストラッシナーティ(引っ掻く)して作る直径約1cmのショートパスタ。
発祥地はプーリアのバリBari。バーリ・ベッキア地区では道端でオレッキエッテを作る姿が観光名物と化しています。
オレッキエッテ
・硬質小麦粉と水をこねる。塩は加えない。
・なめらかで適度な硬さの生地になったらラップや布巾で包んで30分休ませる。
・生地を少量切り取り、タバコの太さの棒状にする。
・少量切り取り、ナイフや親指で抑えながら引いて薄くしながらカールさせる。
・これを親指の指先にのせて裏返す。裏返すとオレッキエッテで、裏返さなないもの、または指2〜3本でひっかくと細長いカヴァテッリになる。
カヴァテッリ
オレッキエッテは指先の幅なので裏返すことができるが、いんげん豆に似たカヴァテッリはもっと長いので簡単には裏返せない。両者の違いは僅かなようでも、組み合わせるソースは違ってくる。
裏返すのにも理由がある。ソースがよく絡むようにするためだ。
いんげん豆に似たカヴァテッリは、プーリアでは豆のソースと組み合わせる。
地方料理書の傑作、“グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『プーリア』を読んでみたら、オレッキエッテのリチェッタが5品もありました。カヴァテッリのリチェッタは3品、カプンティという同じ系列のもっと長いパスタもあります。
カプンティ
オレッキエッテに合うソースは、他のパスタとは違います。
トマトソースほど液体ではなく、ミートソースほど細かくもない、つまり野菜のソースがぴったりです。プーリアの農民が作り出した地中海の農産物、海の幸、羊飼いのチーズ、羊肉などがよく合います。
オレッキエッテに合うソースは、スパゲッティに合うソースとは違う、ちょっと異色のソース。
詳しくは次回。
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2021年11月30日火曜日
パスタ入門編、その4、トロフィエは地元の人から教わるしか作り方が伝わらない不思議なパスタ。
パスタのお題中ですが、今月(3月号)の(CIR)に、お題にピッタリの記事がありました。
“各地の定番パスタP.20”です。
地方料理の定番を紹介する連載記事です。
イタリアの地方料理の定番に選ばれたパスタ・フレスカは、
トロフィーエTrofie、マッロレッドゥスMalloreddus、オレッキエッテOrecchiette、ピッツォッケリPizzzoccheri、ブジアーテBusiateという、よく考えられたラインナップでした。
トロフィーエ、マッロレッドゥス、オレッキエッテは、いずれもニョッキの一種です。それぞれ、少量取った生地の塊(ニョッキ)を、潰しながらねじる、潰しながら筋をつける、潰しながらくぼませる、という加工をします。
先端が細いショートパスタ、トロフィーエは、成形という点ではとても特殊なパスタです。
生地を厚さ○mmに伸ばして幅○mmに切る、といった万人に伝わるような客観的な製法がなく、見て覚えるしかないこのパスタは、発祥地と考えられているレッコReccoを中心に、リグーリアのリビエラ・レバンテ地方の主婦の技として受け継がれてきました。地元の人に教わらないと再現できない貴重なパスタです。
トロフィーエ
すべてのパスタの形は美味しく食べるためのもの。
リグーリアの人は、このパスタにペースト、じゃがいも、さやいんげんのソースを組み合わせました。
それは、奇跡的な相性の良さでした。そしてトロフィエと一緒に地元の外へ広まっていき、イタリアの地方料理の定番パスタと呼ばれるまでになり、トロフィエの乾麺も登場して、内外に広まりました。
リチェッタは今月の(CIR-P.20)にありますが、一応、上の動画のレッコのリストランテ(昔ながらの伝統料理を出す家族経営の老舗)、オ・ビットリオ ristorante da O' Vittorio (webページ)のものも訳してみます。
ペーストのトロフィーエTrofie al pesto
材料/
《トロフィエ》
00番の小麦粉・・500g
ぬるま湯・・200ml
セモリナ粉
《ペースト》
葉の小さいタイプのプラのバジリコ・・160g
ピザの松の実・・70g
EVオリーブオイル・・70ml
グラナかパルミジャーノ・・80g
ペコリーノ・サルド・・50g
にんにく・・1かけ
《トロフィエ》
・小麦粉をフォンタナに盛り、ぬるま湯を加えてこねる。
塩、卵、油は加えない。締まった生地になったら布巾で覆って30分休ませる。
・麺台に包丁で切り込みを数本入れる。生地を左手で少量取り、作業の間、乾かないようにずっと握っておく。
・右手で生地を少量つまみ取って台に置き、手のひらの指の付け根で転がしながら細く伸ばす。
片方の端を小指の側から出し、斜め45度下に向かって潰しながらねじる。
・トロフィエという名前の由来は諸説あるが、トロフィーではなく、ジェノバでは、こするという意味のストロフィナーレstrofinareが語源、という説が信じられている。
・レッコには親指の側でねじるというマニアックな技もある。
《ペースト》
・にんにくと松の実、粗塩少々をミキサーに入れて熱を持たないように数回に分けて撹拌する。バジリコ(熱を持たないように冷凍しておいてもよい。プラのバジリコがない時は下ゆでしてミント風味を飛ばしておく)とオリーブオイルを加えてミキサーをゆすりながら撹拌する。バジリコに熱が入りすぎるとペーストが黒ずむ。グラナ、パルミジャーノ、ペコリーノを加えてさっと混ぜる。
・じゃがいもは皮をむいて厚めにスライスし、塩ゆでする。2分ゆでたらトロフィエと下ゆでしたさやいんげんを加え、3分ゆでて水気を切る。
・ゆで汁少々で伸ばしたペーストであえてバジリコで飾ってサーブする。
作るのがとてもむずかしいパスタなので、乾麺が登場するまで広まらなかったというのは納得です。
逆に手作りできる人は才能に恵まれたラッキーな人、ということができるかも。
次回はオレッキエッテです。
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2021年11月29日月曜日
パスタ入門編、その3。道具を使って成形するパスタ。麺棒かダイスかで道は2つに別れます。
前回は小麦粉と水をこねる、という過程の話でした。
次はいよいよ、パスタ造りの醍醐味、成形です。
北イタリアの軟質小麦粉は、生地の特性を生かした麺棒で薄く伸ばす方法が普及しました。
南イタリアの硬質小麦粉は、パスタ・フレスカ(生麺)とパスタ・セッカ(乾麺)に別れます。
これまではパスタ・フレスカの話でしたが、ここで乾麺が登場します。
乾麺のパスタの作り方は、製粉sfarinareとこねるimpastareの次に、ダイスを通すtrafilare と乾燥essicareの過程が入ります。
小麦粉と水の生地は、そのままでは食べることができません。
湯に入れてゆでたり、ソースをかけて味をつけるといった作業が必要になります。
成形の目的は、生地を美味しく食べられる形にすることです。
生麺の成形方法の一番単純な方法は、ニョッキです。生地を少量取って豆粒大に丸めて筋をつければ完成です。
代表的なのはサルデーニャのマッロレッドゥスMalloreddus。
ちなみにリチェッタは今月の(CIR)の“各地の定番パスタP.20”の記事にあります。
パスタ・フレスカの基本の形、ニョッキの次は麺棒で薄く伸ばすパスタ・リッシャPasta liscia、指先や道具を使って成形するオレッキエッテやピチ、キタッラなど。
綿棒を使って薄く伸ばす技を追求したの結果生まれたのがボローニャのタリアテッレとスフォリーナsfoglina麺打ち職人という専門職。
この平らな生地から生まれるのはタリアテッレtagliatelleの他に、ピエモンテの細いタヤリンtajarinやトスカーナの太いパッパルデッレpappardelle、棒を使ってカールさせたシチリアのブジアーテbusiateなどがあります。
ブジアーテ
道具を使うパスタの大量生産用のアレンジが、ダイスを通すtriforaleです。
ディチェコのトラフィラーレ。
パスタの様々な形は、すべて美味しく食べるための工夫の結果です。
パスタ・リッシャは、ソースをかける食べ方のためのパスタ。
ソースは地元の特産物など身近な食材と食文化から生まれます。
パスタに詰め物をする方法もあります。ラビオリやトルテッリがそうです。パスタ・リッシャに対してパスタ・リピエーナpasta ripienaと呼ばれます。
詰め物をするパスタの生地は薄くて可塑性が要求されるので、軟質小麦粉が得意で硬質小麦粉の苦手な分野。特にボローニャなどポー河沿岸の地方では、この種のパスタの料理が普及しましたが、南イタリアでは放棄されたようです。
南イタリアでも、指先の器用さが要求されるパスタが普及しました。代表はオレッキエッテOrecchietteやカヴァテッリCavetelliなどです。北イタリアの器用さが要求されるパスタの代表はリグーリアのトロフィエTrofie
パスタ・リッシャからは小麦以外の粉のパスタや色付きパスタも誕生しました。
ロンバルディアのそば粉のパスタのピッツォッケリ
色付きパスタの代表はほうれん草入り緑のタリアテッレやラザーニャ。
参考にした本は、スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『パスタ・エ・スーゴ』、
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2021年11月28日日曜日
パスタ入門編、その2。パスタとは、硬質小麦粉と水を練った食品。インパスターレimpastare=練る
今まで改めて考えたこともなかったけど、パスタとは、何でしょう。
硬質小麦粉と水の生地
参考にした本は、スローフードの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』
辞書で調べれば、まあ大抵が、小麦粉と水を練った食品、という答えになります。
硬質小麦粉と水を練ったもの、と書いてある辞書はさすがに見たことないですが。
イタリアの、特に南イタリアの食の基本が(つまり日本人にとっての米ですね)パスタ、詳しく言えば、南イタリアのベースの食べ物は、硬質小麦粉semolaのパスタ・フレスカpasta frescaです。
硬質小麦粉semolaか軟質小麦粉farinaか、パスタ・フレスカfrescaかパスタ・セッカseccaかというのは、パスタの話をする前にはっきりさせておかなくてはならない点です。
硬質小麦粉と軟質小麦粉は、粒の大きさも、色も栄養価も栽培される地域も、パスタになる過程も歴史も違います。
さて、根っからの文系の私は、理系の話になると、途端にさっぱり頭に入ってこないという欠点があります。そんな私が、パスタの本を読む時にいつもすっ飛ばしていたのがグルテンの話です。でも、そんなことも言ってられなくなりました。
美味しいパスタはどうやってできるのかを知るには、グルテンのことを知らないわけにはいかないのです。とうとう観念しました。
硬質小麦粉と水を強くこねると、粉は可塑性のある物質になります。この生地impastoで成形したパスタは、ゆでても煮崩れずに形を保ちます。
ここで大きな役割を果たすのがグルテンです。
硬質小麦粉に水と力を加えるとグルテニン(可溶性タンパク質)とグリアジンがグルテンを形成します。
グルテンはパスタを安定させる網で、網の中には水の分子に溶け出た硬質小麦粉に含まれるデンプンが閉じ込められています。グルテンの網はパスタを頑丈にし、湯でゆでられても形を保つことができるようになります。
一方、軟質小麦粉にはグルテンが少量しか含まれていません。ゆでている間にデンプンは湯に溶け出てしまいます。なので小麦粉と水の生地は形を待つことができません。
ただし、水を湯にする(デンプンがゼリー化する)、卵を加える(卵黄のレシチンが網の形成を助ける)などの方法で、形を保つこともできます。
イタリアを代表する軟質小麦粉のパスタ、ボローニャのスフォリーナ協会のタリアテッレ。
薄〜く均一に伸ばすには熟練の業と腕力が必要。
こねている時から両者の違いは明白。硬質小麦粉のパスタは手だけで様々な形を作り出します。なので薄〜く伸ばすのは苦手。その代わり想像力豊かな様々な形のパスタになりました。
軟質小麦粉は2Dのパスタ向き、硬質小麦粉は3Dのパスタ。
こうして北と南では形の違うパスタが普及します。
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ブログ『イアスレタ ウィンドブレーカー』
“グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズ
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2021年11月27日土曜日
地中海のシンボル、小麦。パスタ入門編、その1
プーリアの硬質小麦の話題が出たところで、大好きなテーマ、《パスタ》の話に入ります。
パスタの基本編、
小麦の収穫
小麦には硬質小麦grano duroと軟質grano tenero小麦があることは、皆さんとっくにご存知。
私達には麺を食べる食文化があるけれども、小麦を麺にするためには複雑な過程が必要とか、小麦には長い歴史があって品質も最高のものを目指して改良されてきたとか、あまり知らないかも・・・。
そもそも、パスタは生では食べられない。
小麦を食料にするための壮大な工夫がそこにはあるのです。
ちなみに私はラーメンのことは勉強不足で何も知りません。あくまでもパスタ限定の話です。
パスタの原料は硬質小麦。軟質小麦はパンやドルチェになります。
小麦は地中海のシンボルです。
イタリアは硬質小麦の栽培量は世界一ですが、昔はパスタ用硬質小麦はカナダ産の小麦が主流でした。現在、イタリアでは軟質小麦より硬質小麦の方が多く栽培されています。硬質小麦の栽培面積は軟質小麦の2.5倍です。
それが次第にカナダ産からイタリア産小麦にシフトし、今ではプーリアの小麦が注目されています。
南イタリアの経済に占める硬質小麦の重要性が高まり、プーリアでも品質改良の動きが活発です。
イタリアでは法律でパスタには硬質小麦を使うように定められています。
パスタの輸出量はもちろん世界一。
パスタの生産は、今や南イタリア全体の経済にも影響しています。
それと同時に、南イタリアの農家は、質か量かの選択を迫られているのです。
最初に栽培された小麦は、3種類あるファッロの一つ、triticum、籾殻に覆われた小麦でした。
5世紀末には籾殻がない改良された品種が普及して、小麦から粉を作ることが容易になります。
さらに風に強くて成長速度が早い外国の品種との交配も行われました。
こうして栽培の便利さが追求されていき、逆にこれらの改良が加えられていない小麦はほとんど姿を消すほど貴重になり、古代品種と呼ばれてその利点が注目されるようになりました。
硬質小麦の粉はパスタやパンに最適でしたが、気温が低く、夏の日照が少ない北イタリアでは、そもそも栽培できません。
北イタリアでは軟質小麦粉(farina)を使ったパスタが普及します。
プーリアの硬質小麦のパンの1つ、パーネ・ディ・アルタムーラ。
硬質小麦粉(semola)と水をこねた生地は、様々な形に成形ができて、熱湯に入れても崩れません。これは、グリアジンとグルテニンというタンパク質がグルテンになったおかげです。
ゆでている間に小麦粉(semola)のデンプンがゲル化すると膨張して柔らかくなります。
グルテンが少ない軟質小麦粉では、状況が違います。そのためにグルテンの代わりにレシチンが豊富な卵を加えました。
軟質小麦粉と水だけの生地は形を保つことが殆どできません。
デンプンが溶け出て、柔らかくてベタベタしたパスタになります。
このタイプのパスタはイタリアの伝統料理では殆ど見かけません。もっとも貧しい料理で、主に生地が溶け出ても問題がないスープに使われます。
卵を加えるとパスタの状態は大幅に変わります。レシチンを含むのは卵黄です。
次回は北イタリアのパスタ・フレスカの話。
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2021年11月26日金曜日
プーリアのオリーブオイルは海と畑の幸を結びつけた。
プーリアを代表するワイン、プリミティーボの話が出たところで、今日はプーリア料理の話でも。
イタリア料理の州別の料理書も、今となっては主なものは『グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ』ぐらいです。
これも年月が経つにつれて出回る数が減り、幻の傑作となりつつありますが、ご注文があれば中古の良品を探し出して販売しています。グランデという名前にふさわしい大作ですが、本自体は小さくてコンパクトです。
イタリアでも有数のオリーブの産地プーリアは、豊饒の象徴である粘土質で石灰質の赤い土に銀色のオリーブが実る。
プーリアのオリーブの収穫。
プーリアの風景は、金、銀、緑、青色に例えられる。
金は小麦、銀はオリーブ、緑はワイン、青は海だ。
プーリアにはイタリアで最大のタボリエーレTavoliere平野がある。
そこで栽培されているのが小麦だ。
「タボリエーレの小麦」
風が強くて乾燥したこの大地が、硬質小麦には最適だった。
プーリアはイタリア最大の硬質小麦の産地になった。
そしてその小麦から、パスタやパンが生まれた。
この平野の中央にはフォッジャの街がある。
昔から、移牧や小麦の売買の中心となってきた街だ。
トロイア(フォッジャ)の移牧祭り
dopオリーブオイル、テッラ・ディ・バリTerra di Bariは草やアーモンドのような香りが特徴のオイルで、味は熱く、フルーティーで辛口だ(産地による)。
テッラ・ディ・バリは。プーリアの地方料理のベースになるオイルだ。
さらに、プーリア料理は、オリーブオイル、小麦、野菜、チーズ、肉が海や大地の恵みと出会って生まれる。肉はハーブ風味のシンプルな調理の子羊肉、オイルはカルテッダーテの揚げ油など、ドルチェにも使われている。
野菜、豆、パン、パスタ、卵、きのこ、魚、子羊がこの地方の料理を作っている要素だ。
海と大地の味を結びつけるオイル、オリオ・ディ・ダウノDOPは、香ばしくてフルーティーなオイルだ。ベッラ・ディ・チェリニョーラBella di Cerignolaという品種の、皮が薄くて肉厚で、マイルドな味のオリーブから造られる。
ベッラ・ディ・チェリニョーラ
次回はプーリア料理。
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2021年11月25日木曜日
プーリアを代表するぶどうプリミティーボは、クロアチアから伝わり、ムルジャ地方の土壌と気候によく合った。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョイナーリ)3月号を発売しましたが、2月号のワインの話のビジュアル解説がまだ残っていたので、今日はワインの話。
プリミティーボPrimitivoです。
南イタリアを代表する品種の一つだそうですが、他にどんなぶどうが南イタリアを代表しているかというと・・・
ネロ・ダーボラNero d'Avola、アリアニコAglianico、ピエディロッソPiedirosso、ネレッロ・マスカレーゼNerello Mascalese、ガリオッポGaglioppoなどがあります。
プリミティーボのルーツは、プーリア中南部のジョイア・デル・コッレGioia del Colle地方。
ムルジャと呼ばれる地方です。
その100km北には、同じプリミティーボでも個性が違うプリミティーボができるマンドゥリアManduria地区があります。この地区のぶどうの栽培方法はアルべレッロと呼ばれる古い方式。
プーリアの魅力が詰まったアルタ・ムルジャ国立公園↓
この地方は海抜360mのアルカリ性で粘土と石灰岩の土壌の丘陵地。痩せた鉄分の多い赤土に覆われ、昼と夜の寒暖差が大きかった。渓谷や深い侵食があるカルスト大地で、洞窟が無数にある。気候は典型的な南イタリアのもの。高度の高い地方ほど気温が低い。この環境がプリミティーボにはよく合った。
ワインはジューシーで活発で、ボディーとコクがある。
エレガントな香りで強い組織があり、しなやかなボディーで控えめなタンニン、酸味とソフトさのバランスがよく、様々な地方の食文化と相性が良い身近なワインになった。
脂の多い料理にも、加熱時間の短い料理にも、サルシッチャや内臓の串焼き、豆のズッパ、ティンバロにも奇跡のように合う。
プリミティーボは次第に色が濃くなるワインで、ジョイア・デル・コッレのロゼは赤ワインの前身。
プリミティーボ・ディ・マンドゥリア↓
ムルジャ地方の名物巡りの旅↓
プリミティーボはカリフォルニアのジンファンデルと遺伝子が共通していると言われるが、本当のルーツはクロアチアの沿岸部。ムルジャ地方はクロアチアからイオニア海へと抜ける航路の途中にある。
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次回は料理の話。
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